この記事では、広島県の場合の解体工事業の登録について解説しています。

(記事作成:令和4年8月)

解体工事業の建設業許可に関しては、次の記事で解説していますので、合わせてお読みいただければ幸いです。

 

建設工事を請け負う場合、請負金額が500万円以上の場合は、建設業許可を取得しなければなりません。

逆に言うと、請負金額が500万円未満の場合には、建設業許可がなくても、工事を請け負うことができます。

しかしながら解体工事の場合は、建設リサイクル法の規制(平成13年5月30日施行)のため、500万円未満の請負金額の場合でも、解体工事業の登録を受けていないと工事を請け負うことはできません。

解体工事業の登録を受けないで解体工事を行うことは法令違反であり、罰則として、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる場合がありますので注意が必要です。

また、請け負うことのできる解体工事の施工場所は、登録を受けた県内に限られています。

 

当事務所では、お忙しい事業者様に代わって、解体工事業の登録手続きの代理を請け負っております。

ご入用の際はぜひご活用ください。

 

解体工事を請け負うことのできる業者は?

解体工事業を請け負うことができる業者は、次の建設業許可を受けている必要があります。

    1. 土木工事業
    2. 建設工事業
    3. 解体工事業

 

上記の内、1.2.の土木工事業建築工事業の許可を有している業者は、請負金額が500万円未満の解体工事を請け負うことができます。

3.の解体工事業の許可を有していれば、請負金額が500万円以上でも解体工事を請け負うことができます。

 

この記事で解説する解体工事業の登録業者は、請負金額が500万円未満の解体工事を請け負うことができます。

 

解体工事業の登録の対象となる業者は?

解体工事業の登録の対象となるのは、上記の許可を有していない事業者です。

すなわち、解体工事を行おうとする業者で、土木工事業、建築工事業、解体工事業のいずれの業種の許可も有していない業者が解体工事業の登録の対象となります。

 

以下に、建設業の登録の要件を説明します。

建設業許可と異なり、経営者の建設業の経営経験は問われません。

 

解体工事業の登録の要件①技術管理者

解体工事業の登録要件の一つとして、技術管理者というものがあります。

技術管理者とは、解体工事の現場における技術上の管理をつかさどる者で、一定の基準(後述)に適合するものです。

必ず1名選任して解体工事現場に配置しなければなりません。

 

技術管理者になろうとするものは、次のような、一定期間以上の解体工事の実務経験を有しているか、または一定の資格を有していなければなりません。

実務経験の場合

次のような解体工事の実務経験が必要です。

学歴等 解体工事の実務経験年数
通常 講習を受講した場合(※2)
一定の学科(※1)を履修した大学卒又は高専卒 2年以上 1年以上
一定の学科(※1)を履修した高校卒 4年以上 3年以上
上記以外 8年以上 7年以上

(※1)一定の学科とは、土木工学、建築学、都市工学、衛生工学、交通工学に関する学科

(※2)講習とは、登録実施機関が実施する登録解体工事講習のこと

 

資格の場合

次の資格を有している場合は、上記実務経験は問われません。(一部実務経験必要)

資格・試験名 種別
建築業法による技術検定 一級建設機械施工管理
二級建設機械施工管理(第一種、第二種)
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(建築、躯体)
技術士法による第2次試験 技術士(建設部門)
建築士法 一級建築士
二級建築士
職業能力開発促進法による技能検定 一級とび・とび工
二級とび+解体工事の実務経験1年以上
二級とび工+解体工事の実務経験1年以上
民間試験合格者

解体工事施工技士試験合格者
(全国解体工事業団体連合会による)

解体工事業許可の要件である専任技術者の有資格者要件とほぼ同じです。

 

解体工事業の登録の要件②欠格要件

申請者が次のいずれかに該当するときには、登録を受けることはできません。

 

    1. 申請書または添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるかまたは重要な記載が欠けているとき
    2. 解体工事業の登録を取り消された日から2年を経過していない者
    3. 解体工事業の業務停止を命じられ、その停止期間が経過していない者
    4. 解体工事業を取り消された法人において、その処分日前の30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者
    5. 建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑を受け、その執行が終わってから2年を経過しない者
    6. 暴力団員
    7. 暴力団員で亡くなってから5年を経過しない者
    8. 暴力団員がその事業活動を支配する者
    9. 解体工事業者が法人の場合で、役員の中に上記2から7のいずれかに該当するものがいるとき
    10. 解体工事業者が未成年で、法定代理人を立てている場合、法定代理人が上記2から7のいずれかに該当するとき
    11. 技術管理者を選任していないとき

 

解体工事業の登録の有効期間と登録手数料

解体工事業の登録の有効期間は5年間です。

5年ごとに更新の手続きを行わなければなりません。

 

また、登録手数料は、次のとおりです。

新規登録 33,000円
更新登録 26,000円

更新登録申請は、有効期限満了日の30日前までに行わなければなりません。

 

解体工事業の登録申請に必要な提出書類と提出先

解体工事業御登録のためには、次の書類を提出しなければなりません。

 

  書類名 指定様式等 留意点
解体工事業登録申請書 様式第1号  
誓約書 様式第2号  
登録申請者の調書 様式第4号 個人事業主の場合は本人について作成する。
法人の場合は役員すべて及び法人自身について作成する。
技術管理者略歴書 規則様式第3号  
実務経験証明書 様式第3号 必要な場合
個人事業主の場合は同業者他者による証明が必要
技術管理者の卒業証明書 写し 必要な場合
技術管理者の資格者証 写し 必要な場合
講習の受講証明書 写し 必要な場合
技術管理者の住民票 抄本 登録申請の3か月以内には行されtもの
10 登記簿 謄本 法人の場合
登録申請の3か月以内に発行されたもの
11 登録申請者等の住民票 抄本 個人事業主の場合は本人のもの
法人の場合はすべての役員のもの
12 営業所所在地略図 規則様式第2号 解体工事を営むすべての営業所について作成

 

上記書類を正本1部、写し2部(※)を次の提出先に提出します。(※ 県内営業所を所轄する県建設事務所の数+1部)

事務所名 所在地、電話番号 所轄する区域
広島県西部建設事務所

広島市南区比治山本町16-12
TEL:082-250-8161

広島市、大竹市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町
広島県西部建設事務所 呉支所 呉市西中央1丁目3-25
TEL:0823-22-5400
呉市
広島県西部建設事務所 東広島支所 東広島市西条昭和町13-10
TEL:082-422-6911
竹原市、東広島市、大崎上島町
広島県東部建設事務所 福山市三吉町1丁目1-1
084-921-1311
三原市、尾道市、福山市、府中市、世羅町、神石高原町
広島県北部建設事務所 三次市十日市東4丁目6-1
TEL:0824-63-5181
三次市、庄原市

 

 

解体工事業者の標識の掲示

登録を受けた解体工事業者は、適法な業者であることを対外的に示すために、また、解体工事の施工に係る責任を明確にするために、営業所および解体工事現場ごとに、公衆の見えやすい場所に、標識を掲示しなければなりません。

標識の例としては次のようなものです。

 

解体工事業者の帳簿の備付け

解体工事業の登録を受けたら、営業所ごとに帳簿を備付け、請け負った解体工事ごとに記載し、工事の契約書等の写しを添付しなければなりません。

帳簿は、各事業年度の末日から5年間保存しなければなりません。

帳簿に記載する事項は次のようなものです。

 

    • 注文者の氏名又は名称
    • 注文者の住所
    • 施工場所
    • 直行年月日および竣工年月日
    • 工事請負代金
    • 当該工事に係る技術管理者の氏名

 

 

解体工事を請け負うためには、軽微な工事である500万円以下の工事であっても解体工事業の登録を受けていないと工事を請け負うことはできません。

登録なしで、解体工事を請け負うと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い刑罰が科せられる可能性があります。

 

 

当事務所では、お忙しい事業者様に代わって、解体工事業の登録手続きの代理を請け負っております。

ご入用の際はぜひご活用ください。

 

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