建築施工管理技士について
建設業の許可を受けるための要件の一つに、専任技術者に関する次のような要件があります。
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、
-
- 10年以上の実務経験を有する者
- 高等学校等の指定学科卒業後5年以上の実務経験を有する者
- 大学等の指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
- 有資格者であること
この記事では、上記の専任技術者の要件の中の有資格者であることを満足するための資格の一つである建設施工管理技士について解説しています。
建築施工管理技士の資格を持っているとどのような業種の専任技術者になれるか
建築施工管理技士には、一級と二級があります。
一級建設施工管理技士
一級建築施工管理技士の資格があると次の業種の専任技術者になることができます。
-
- 建築工事号
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工・コンクリート工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- タイル工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装工事業
- 絶縁工事業
- 建具工事業
- 解体工事業
以上、17業種の専任技術者になることができます。
これは、すべての資格の中で最も多い業種になると思います。
また、一級建築施工技士の場合は、一般建設業だけでなく、特定建設業における専任技術者にるることもできます。
2級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士には次の3種類の資格があります。
-
- 建築
- 躯体
- 仕上
それぞれ専任技術者になることのできる業種は次のとおりです。(一般建設業の許可のみ)
建築
2級建築施工管理技士(建築)は次の2業種の専任技術者になることができます。
-
- 建築工事業
- 解体工事業
躯体
2級建築施工管理技士(躯体)は次の6業種の専任技術者になることができます。
-
- 大工工事業
- とび・土工・コンクリート工事業
- タイル工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 解体工事業
仕上
2級建築施工管理技士(仕上)は次の12業種の専任技術者になることができます。
-
- 大工工事業
- 左官工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- タイル工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装工事業
- 絶縁工事業
- 建具工事業
上記のように建築施工管理技士の資格を持っていると様々な業種の専任技術者になることができます。
次にこの資格を取得するための方法を見ていきましょう。
建築施工管理技士試験の受験資格
建築施工管理技士の試験は誰でも受けることができるわけではなく、一定の要件を満たさなければ受験できません。
1級建築施工管理技士試験の受験資格
1級の試験を受験するには建築施工管理に関する次の実務経験年数が必要です。
-
- 大学卒業者の場合3年以上
- 短大・高専卒業者は5年以上
- 高校卒業者は10年以上
- 上記以外のものは15年以上
- 2級合格者で、合格後5年以上
2級建築施工管理技士試験の受験資格
2級の試験を受験するには建築施工管理に関する次の実務経験年数が必要です。
-
- 大学卒業者の場合1年以上
- 短大・高専卒業者は2年以上
- 高校卒業者は3年以上
- 上記以外のものは8年以上
- 電気受任技術者などの有資格者
申し込み方法
建築施工管理技士試験は一般社団法人建設業振興基金が指定試験機関として実施しています。
試験の申し込みは、インターネット申し込みと書面申し込みがありますが、インターネット申し込みは再受験申込者のみが対象となっています。
始めて受験申し込みをする場合は、受験資格などの審査が必要なため、書面申し込みが必須ということです。
下記のサイトからインターネット申し込みと願書の購入を行うことができます。
試験内容
一級、二級ともに試験は、学科試験と実地試験があります。
試験の特徴や傾向としては次のようなものです。
学科試験
科目は、次の3科目に分かれています。
-
- 建築学等
- 施工管理法
- 法規
四肢択一式で82問出題され、必須問題は30問、選択問題が52問中30問解答し、82問中60問を回答することになります。
実地試験
実地試験は記述式の試験です。
建築や施工に関する知識だけではなく、文章力も問われることになります。
出題の傾向として、実務経験に関して具体的に、指定された方法で記述することが求められているようです。
次のようなテーマが中心となる傾向があります。
-
- 合理化
- 品質管理
- 環境管理
専門用語を的確に正確に使用するように心がけることが大切になってきています。
建築施工管理技士試験の合格率
合格率は次のようになっています。
一級 合格率 | ||
---|---|---|
学科試験 | 実地試験 | |
平成25年 | 47.0% | 41.4% |
平成26年 | 41.6% | 40.2% |
平成27年 | 43.6% | 37.8% |
平成28年 | 49.4% | 45.6% |
平成29年 | 39.7% | 35.5% |
平成30年 | 36.6% | 37.1% |
令和元年 | 42.7% | 46.5% |
令和2年 | 51.1% |
二級 合格率 | ||
---|---|---|
学科試験 | 実地試験 | |
平成25年 | 40.2% | 30.1% |
平成26年 | 47.9% | 33.5% |
平成27年 | 48.5% | 32.7% |
平成28年 | 51.9% | 38.9% |
平成29年 | 38.7% | 28.9% |
平成30年 | 25.9% | 25.2% |
令和元年 | 34.7% | 27.1% |
令和2年 | 34.5% | 28.2% |
合格率はほぼ半分を切っており、けして簡単な試験ではありません。
しっかりと対策を取って試験に臨みましょう。
建設業許可の手続きに関することなら、行政書士すがはらあきよし事務所にお任せください。
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